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モンテッソーリ教育と感触遊び|触覚が子どもの発達を育てる理由|アネビーの遊び研究所

アネビーの遊び研究所

モンテッソーリ教育と「遊び」
〈「触覚」は子どもと世界を繋ぐかけ橋 〉

2026.05.18

1歳も小学生も「感触遊び」が大好き。人気NO.1は○○!

1歳も小学生も「感触遊び」が大好き。人気NO.1は○○! 1歳も小学生も「感触遊び」が大好き。人気NO.1は○○!

子どもたちが環境から刺激を取り入れる手段は「感覚」を通してです。
特に、手のひらで感じる触覚からの感触は、小さな子どもたちにとって、外界との入り口ともいえる、新鮮で強く記憶に残る感覚だと思います。  

にじぐみのお母様たちがよく教えてくださるエピソードにこういうものがあります。

「ご飯の支度のために、お米を研ごうとすると、どこかから聞きつけてきて、お米の中に手を入れようとするんです!」「もうやめて〜!って毎回やっています」
特に1歳くらいのお子さんの「悩み」としてよくママたちから語られるエピソードです。
手に入れる前に止められる時もあれば、お米のケースの中に手を入れてしまって「ああ、ダメよ!めっ」って注意する時もある。そんなふうに「も〜っ!て」笑いながらお話してくれるお母様たちの多いこと!

モンテッソーリのちいさなお教室「にじぐみ」では、よく「感触遊び」を楽しんでいます。おうちで夕飯に使うお米に手を入れることはできないけれど、お教室では「触って感じる」ために、お米が用意されています。感触遊びのために、小豆やパスタやお塩など…様々な素材を用意しますが、子どもたちに断トツで人気があるのは「お米」です!
お米って、食材として優秀なだけでなく、子どもたちにとっては軽やかな音とさらさらと優しい手触りで、感覚を刺激する魅力的な存在なのですよね。

1歳の子どもたちは、指先でそっとつまんで「これは何だろう」と確かめるようにゆっくりと触れていきます。その姿から、自分の体と感覚に意識を集中している様子が伝わってきます。

一方、小学生になると、同じお米の感触遊びでも遊び方が違ってきます。様々な大きさの容器に注いで量を比べたり、どれだけこぼさずに器に移し替えられるかにチャレンジしたり…。自分なりの遊び方をどんどん編み出していく姿が見られます。同じ素材でも、年齢や発達段階によって、こんなにも “素材への関わり方” が変わっていくのだと、子どもたちの姿から学びます。


1歳からおうちでできる「感触遊び」

視覚~情報収集のエキスパート

本物のお野菜や果物などは、1歳さんのおしごとに使える良い教材です!

  • 目で色や形を見る (視覚)
  • 匂い・香りを感じる (嗅覚)
  • どんな質感か触って感じる(触覚)
  • 重さを感じる(触覚・固有覚)
  • 触った時に何か音はするかな?(聴覚)
  • そして、味わう(味覚)

いつも食べている食材は、元々こんな姿なんだ!と知ることは食育に繋がる大事な要素だと思います。食事で出て来る食材の、調理される前の姿を知らない子が多くなりました。本で知るのもいいですが、まずは直接体験。自分の五感で感じることが、何よりの感覚教育だと思います。



スクイーズをうまく使って、手軽に触覚刺激!

こんなこともありました!お教室に入室してからもまだ眠かったようで横になっていたお子さん。スクイーズ※1が入った箱を見せた途端、起き上がって触りはじめました!
「感覚」や「感触」ってすごい。子どもにとって、スクイーズやフィジェットトイ※2の刺激は、ただの「暇つぶし」や「手遊び」以上の意味があります。脳をシャキッと覚醒させる効果があるのです。
「スクイーズなんて触っているとおしごとに集中できないんじゃない?」と思いますか?うーん、そんなことないんですよ!むしろ、触覚から適度な感覚が入ってくることで、集中力が増すお子さんの方が多い印象です。にじぐみでは、スクイーズをかたわらに数字カードを並べたり、足でふみふみしながら書く活動をしたりするお子さんもいます。触覚から感覚を入れる行為は、本来しようとしている活動の妨げにはなっていません。
触覚は発達の土台なので、成長していく上で必ず必要な感覚です。好きな感触は人それぞれ。子どもが自分から関わっていく感触が、その子にとって必要な感触です。
※1 ゴムやスポンジなどでできた、にぎったり押したりする玩具
※2 ハンドスピナーなど指先でいじる玩具

子どもたちが「感触遊び」に夢中になる理由。それは…

繰り返しになりますが、子どもたちって感触遊びが大好き!1歳も小学生も。どうしてそんなにお米を触るのが好きなのでしょう?

それは、子どもにとって感覚は「脳の栄養」だからです。

「手は第二の脳」と呼ばれていますよね。手のひらは大脳と繋がっています。手や指で気持ちよさそうに感触を味わっている時、子どもの脳は活発に働いています。
感覚。特に、触覚からのさまざまな刺激は、子どもの脳の成長にとってなくてはならないものだから、子どもたちは感触を味わうことが大好きなのです。
また、子どもが「触る」のは、初めて見るものに触れ、視覚と触覚からの情報を一致させるためでもあります。子どもがこれまで蓄えてきた感覚は、脳の「経験ファイル」に保存されています。
「これは、多分こんな手触りかな?」という子どもの予測は、実際に触ることで確認、訂正されていきます。「やっぱりそうだった!」「思っていたのと違う…」。子どもの中に蓄えられていた「感覚の経験ファイル」は徐々にアップデートされていきます。

入力は五感・出力は運動。五感から脳へ、脳から運動器官へ。
目と手と体を使った体験の繰り返しで、子どもは「世界」を知っていくのですよね。「遊び」なのですが、それは子どもが外界を「学ぶ」姿でもあります。 その豊かな瞬間をこんなに近くで見守ることのできるモンテッソーリ教育の現場にいることを、幸せだな、といつも思います。

【執筆】
大津ゆう子
おおつゆうこ
モンテッソーリ教師、保育士、発達障害児支援士
モンテッソーリのちいさなお教室「にじぐみ」主宰
https://www.instagram.com/soraiangle/

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